2010年12月17日金曜日

マーチング&バトン東海大会エピソード


第九演奏会のユーチューブ映像の再生回数が日を追うごとに増えているようです。演奏内容の是非は、ともかくとしても関心を持って頂けることに感謝しております。ありがとうございます。
さて、随分前になりますがマーチングバンドバトントワーリング東海大会ゲスト出演させて頂いた時のブログに興味深いエピソードがあり後日、報告する予定が過酷なスケジュールの為先延ばししていたら今日になってしまいました。
日本ガイシホールで毎年行われているこの大会は、ここ何年か僕がバトントワリングの演技曲の担当やブラスバンドと共演させて頂いている関係から審査タイムの間にゲスト演奏をさせて頂いています。今年も演奏をさせて頂きましたが演奏前に控え室で準備していると僕より背の高い髪の長い外国の女性が、「トイレはどこですか?」と聞いてきたので会場スタッフの方を紹介し誘導して頂きました。実は、日本ガイシホールと控え室と来賓用観覧席の通路は、近くにありその外国の方は来賓者だったのです。
 僕は、今年が「名古屋開府400年」ということだしゲスト演奏時にも何らかの形で地元を盛り上げたいと思案しました。思いついたのが日本ガイシホールは、バレーボールの全日本大会をするような大きなアリーナなので大型ビジョンがありこの大会も演技のアップが中継映像として画面に映ります。この大型ビジョンを活用して、名古屋の歴史や文化の映像を編集して映像を流しながらオリジナル曲を演奏をしてみようとアイデアが浮かびました。思いついたのが本番数日前で主催者側からOKが出るか心配でしたがOKが出て、担当のビデオ業者「プラーム」さんとも打ち合わせができ本番を迎えました。
 演奏曲は、熱田神宮のリサイタルで奉納演奏したオリジナル曲「森羅万象」です。この曲をお聴きになられた方はわかると思いますが、オーケストラサウンドをメインにした日本調の曲です。内容は、初めて聴いて頂いた方でもわかりやすいごく単純明快な3部形式のどちらかといえば渋めな曲だと思います。一緒に流した映像も名古屋城や金鯱など日本の歴史や名古屋の郷土色を感じさせるものを編集しました。演奏を終え戻ろうとしたところ何とさっきトイレの場所を聞いてきた外国の女性が僕に会いにきたのです。「英語は話せますか?」と日本語で聞いてきましたが僕は、「少しだけ」と答えました。一緒にいた日本人の方が通訳をしてくれて僕に何か感動を伝えたかったようです。あとでこの女性を招待したという主催者側の役員の方に問い合わせたところコーヒーのスターバックスでたまたま会って話をして招待チケットを渡した方だということでした。つまりマーチング、バトンの組織的な来賓者や関係者ではなく(もちろん電子オルガンの関係者でないことは、言うまでもありません。)全くの外部の方だったわけです。また、日本語も少しはわかるようでしたが英語の方が堪能な様子でした。そのような方が演奏を聴きわざわざ感想を言うために僕に会いに来たわけです。
 演奏を聴く時、時として学歴(留学歴含)や師事歴、コンクール歴、メディア出演歴などで判断されてしまう音楽の世界ですが色眼鏡なしの極めて純粋に近い形で音楽を聴いて、反応してくれたわけです。また自分では日本人のこと中高年層に受けそうな渋めな曲と映像だと思っていたパフォーマンスを外国の若い女性が受け入れてくれたことにビックリしました。演奏や作品に対する評価がビジネスと切り離せなくなっている現代においてこのようなエピソードは、とても興味深く思えたのです。そしてこのような色眼鏡なしで評価してくれる社会が、アーチストや文化を育てていくのではないかと考えている今日この頃です。
 写真は、東海大会で脇谷勲理事長から花束贈呈と特別表彰された時のものです。

0 件のコメント:

コメントを投稿