2011年12月4日日曜日

本物と偽物

朱先生との打ち合わせで中国事情を伺ったおりに、中国の新幹線の話題やコピー製品についてもお話を伺いました。以前、TVで発展途上国で暮らす人々がコピー商品だと知りつつも発電機や携帯電話などの中国製品をあえて使用しているという映像を見ました。コピー商品を使用する理由は、元のオリジナルメーカーのものでは値段が高すぎて手が届かないからだそうです。この場合、コピー製品は偽物なのでしょうか?コピー製品と知りつつ、内容を熟知しそのリスクも考えて使用する場合、偽物という言葉が適切なのだろうか?と考えるのです。(一口にコピー製品と言っても色々なレベルがありますが。)また、類似製品というものもたくさんあります。普段、ついつい本物と偽物という言葉を簡単に使ってしまいますが、そもそも本物と偽物の定義とは何なのか、、、。
電子オルガンや電子楽器で既成の音楽を演奏するとよく「本物のオーケストラだとここが違う」というような話題になるのですが、違うのは当然だと思うのです。サンプリング技術の進歩でCDクオリティを超えるような音源を搭載する現代の電子楽器ですが、スピーカーで音を再生する時点でアコースティック楽器との決定的な違いがあります。
しかし、そうした違いや欠点ばかりを目を向けていると視野狭窄になって本質を見失うのではないかと思うのです。
大切な事は、良い音、音楽を聴衆に届けることなのだと思いますし、少なくとも自分はそうありたいと思っています。
違いをよく認識し、また相手にも認識して頂いた上で、その時に求められていることに最大限対応することこそ真(本物)なのだと考えています。
長所と短所は表裏一体と言いますが、違いを認め合い受け入れることは人間関係においても最も大切なことではないでしょうか?
つまり、本物・偽物とは対象となるものを絶対的な尺度で表すことではなく相手との関係性の中で使用する言葉なのかもしれません。日頃、頭によぎる小さな違和感や思いをブログに投稿してみました。

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